『パンチラOKのモデルどこかにいない?』
『顔出しで力ラめる子って知ってる?』
長年、風俗ライターを続けているせいか、女の仕出しを頼まれることが少なくない。
どいつもこいつもオレの「ヘルス人脈」をアテにしてやがるのだ。
依頼を引き受けるか否かは、ギャラ次第。
オレとオマエの仲だからなどと、セコい事をヌカすヤツには間違ってもクビをタテに振らない。
昨年、知人を介し、エロ生配信を営む1人の男性と会ったときのこと。
小料理屋で一杯やり、場がテキトーに和んだところで、男がお約束のセリフを口にした。
「実はいま、ウチのサイトに出てくれる女性を探してましてね。どなたか良い方御存知ないですか」
男が言うには、現在、あるマンションと契約、旧部屋それぞれ女性を住まわせ、カレシとのセックスやオナニーをインターネットで覗かせているらしい(家賃や光熱費はぜんぶ業者持ち)。
勤務時間は夜10時〜朝4時で、休みは土日以外の1日
(それ以外は部屋の外に出てかまわない)。基本給は30万円ながら、アクセス数の上位5名は30万、20万、10万、5万、3万の順でボーナスが支給されるという。
「実はこのところ、アクセス数が上がってましてね、また新たに5部屋ほど増やしたいんですよ」
「う〜ん」
「もちろん、タグでとは言いません。女の子の給料はアナタに丸々お渡ししますんで、いくらでもピンハネしてけつこうですよ」
「え!」
あまりの好条件に、ことばが詰まる。固定給の30万円のうち、20万を女に渡したとして、取り分が10万円。オイシイ、オイシ過ぎだぞ!
二つ返事で引き受け、知り合いの風俗嬢に声をかけまくる。が、さすがに部屋を引っ越してまでは皆やる気がない。
しやーない。こうなったら別で探すか。さっそく、オープンにメッセージを吹き込んでみる。
『ネットモデル大募集です。家賃、光熱費、引越し費用は全部こちら持ちで、お給料は月20万円差し上げます。地方に住んでる女の子で、東京へ出て来たい人いませんか?』
東京の一人暮らしに憧れる地方の女は少なくない。状況さえ許せば飛びついてくるはずだ。
結果は予想以上だった。なんと、都合1週間で10人の返事が届き、さらに絞り込むう
ち、20才の専門学生・ユキ、23才のフリーター・ユウコ、25才のOL・ミサキの3人と面接を行うことになったのだ。1週間後、都内の喫茶店でまずはユキと会った。ルックスは釈由美子を間抜けにしたような感じだろうか。まずは合格点だ。
彼女は言った。現在は埼玉の実家で暮らしており、この仕事で一人暮らしの資金を貯めたい…って、これからその一人暮らしをするんじゃねえのか?
「お母さんとお父さんのことなら心配しなくても大丈夫です。友達が海外に短期留学するから、その間、留守番を頼まれたって言えばいいし」
「わかりました。カメラの前ではエッチやオナニーを見せてもらわなきゃいけないけど。。。」
「平気です」
「お給料は最低保証が20万円ね。あとはアクセス数によって最高30万までボーナスが加算されることになります。大丈夫かな」
「はい」
おつしや〜、これで毎月10万の不労所得じゃ!
と、皮算用してたところ、女が思わぬことを言い出した。
ライブカメラの仕事はカレシに内緒で、部屋でセックスは見せられないというのだ。なんだそんなことか。
…いや、待て待て。もしカレシが呼べないなら、オレが恋人役をやると言っても、納得するしかないんじゃね-のこの女。毒を食らわば皿までって言うしな。
「それ、困るなあ。やっぱ男だってソレが見たくてアクセスしてくるわけだからさ」
「……すいません」
「仕方ない。ボクがキミの恋人役をやってあげるよ」
「え・」
「ボクだってこんなことしたくないけど、これしか方法がないんだよ」
「。・・・。。」
「イヤならこの話はなかったことにしようか」
「…待って」
女はスッと立ち上がったオレを引き留めた。
残るは2人、ミサキは不合格。フリーター・ユウコは問題なく採用する(志望の動機は「親
と暮らしたくないから」とのこと)。もちろん、彼女からもユキと同様に30万の月給から10万円を抜く腹づもりだ。
ただユウコはアクセスアップをエサに、セックスを強要できないだろう。
違う女の部屋に同じオトコが現れたら、それこそサクラだと丸わかりだ。
くそ〜、何とかしてコイツともヤレねえかなあ。
どうにも手をこまねいていたとき、カモが向こうからやってきた。
なんと、「ちょっと相談に乗って欲しいから、昼間、どこかで会えない?」
と誘ってきたのだ。
股間を膨らませながら、彼女と喫茶店で待ち合わせ、その相談とやらを聞く。
社長がむりやりメールの仕事もやらせる。アクセスアップのためにアソコを画面につけたら怒鳴られた。私、どうしても納得がいかない・・・。
「確かにそれは向こうが悪いな〜・おし、社長にはオレからビシつと言っとくよ」
「ホントに?」
「ああ、これからもなんかあったらいつでも相談してくれ」
「ありがとう!」
「じゃ、ラブホにでも行こうか」
「うん」
やっぱアホや(笑)。
かくしてオレのバラ色の生活が始まった。昼間はユウコの「相談」に乗り、夜からはユキと「アクセスアップ」に励むのだ
ユキとは客にネットを切らせぬようセックスに2,3時間もかけ、寂しがりのユウコには毎回、何かしら「おみやげ」を買っていく。ま、そのぐらいはお安いご用。2人とも金がヌカれてるいることにもまったく気づかない。
トドメはユウコを他の男に抱かせたことか。というのもこの女、アクセスアップのために次から次へオトコを引っ張り込んでおり、ならばと、自分の友人を紹介してやったのだ。
☆半年後にユキ、1年後にユウコが部屋を引っ越し、この夢のような日々は終了した。
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